第2章 賃金及び旅費 第11節 農林漁業普及指導手当 農林漁業普及指導手当は「普及手当」とも呼ばれ、農林水産大臣が認める資格(「普及 員資格」という)をもって、勤務を要する日数の過半日数において次の職務(「普及指導 活動」ともいう)に従事した職員(「普及員」ともいう)に支給される給与です。 (1)農業、林業又は水産業を行い、又はこれらに従事する者に接して、農業、林業又は 水産業に関する技術及び知識を普及指導する職務 (2)市町村森林整備計画の作成及びその達成のため、市町村の求めに応じて行う協力の うち専門的な技術及び知識を必要とする職務 (3)試験研究機関等と密接な連絡を保ち、農業、林業又は水産業に関する専門の事項に ついて調査研究を行う職務 1 支給要件 (1)普及員資格をもつこと 普及員資格は、所定の学歴をもって都道府県職員となり、一定期間、関係職務につ いての経験を積むことで受験資格を得、農林水産省の試験に合格して得られる資格。 この受験資格を得るための期間は、資格が無くても普及指導活動ができます。 (2)勤務を要する日数の過半日数において普及指導活動を行うこと 普及手当を受けるためには、前述の普及指導活動のうち(1)または(2)と(3)の両 方の活動を行う必要があり、人事評価の業績評価とは別に、普及指導活動の実績につ いて報告を求められます。 普及指導活動は、公用車で現地に赴いて行う「講習会」や「農場展示」の他、事務 所内で行う「指導準備」も含まれます。 以上の要件を満たした場合、再任用職員である「普及員」にも支給されます。 2 支給額 給料月額(給料表上の額、ただし再任用短時間勤務の普及員はその所定勤務時間に応 じた額)の100分の8の額として、毎月支給されます。 (1)月額19,800円定額化問題 普及手当は農業改良助長法の改正前は「手当を支給する」が改正後に「支給するこ とができる」に変わりました。その数年後、福島県人事委員会が「月額19,800円に 定額化する勧告」を行いましたが、この勧告の取り扱いは、その後の毎年の賃金確定 交渉において「継続協議」とする労使合意を繰り返してきました。 (2)管理職普及員の普及手当 福島県では、農業改良助長法の改正に合わせ給与条例を改正し、給料の特別調整額 (管理職手当)と農林漁業普及指導手当(普及手当)は重複支給しないこととなりま した。 |