第2章 賃金及び旅費 第17節 給料の特別調整額・管理職員特別勤務手当 給料の特別調整額は管理職手当とも言われます。民間企業でも管理職手当は存在し、一 般に「職位(役職)ごとの役割や責任の重さへの対価として支給される賃金」とされてい ますが、労働基準法では、「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又 は機密の事務を取り扱う者(管理職)」は「労働時間、休憩及び休日に関する規定」を適 用しないとしており、割増賃金を支給しなくともよいことから、管理職手当は「残業手当 見合いの賃金」という側面も、現実的にはあると言われています。 管理又は監督の地位にある職のうち人事委員会規則で指定するもの(指定管理職)に就 いている職員には、その特殊性に基づき「給料の特別調整額」が毎月支給されます。 当該管理職員が、週休日や休日(祝日法の休日、年末・年始の休日)に1回あたり6時 間以上勤務した場合には、「管理職員特別勤務手当」が支給されます。 1 支給対象 公務員法では、指定管理職(超過勤務手当等を支給されず給料の特別調整額が支給さ れる職員)は団結権をもたないことから、管理職の範囲が大き過ぎると、労働組合が弱 体化し、交渉の当事者(労働者を代表している)としての地位も揺らぐため、機構改革 などで人事委員会規則を改正する際には、労使が合意することが慣行となっている。 <図表> z290:県職員等の管理職等の範囲 2 支給額 <図表> z291:給料表・職務の級別の給料の特別調整額(再任用以外) <図表> z292:管理職員特別勤務手当 3 給料の調整額の上限規制 特殊勤務手当のうち給料月額に対する定率で額を定めているもの(技術者養成手当) や農林漁業普及指導手当も、給料の特別調整額と同様、「給料の調整額」に含まれ、公 務員法で、国家公務員は給料月額の30%、地方公務員は25%が上限とされている。 給料の調整額が上限を超える恐れがある場合は、給料の特別調整額(管理職手当)を 減額することがある。 |